貧乏人のBMWモーターサイクル

貧乏人がBMWのバイクでツーリング行ったりするブログ

純正ナビ(Motorrad Navigator VI)を買った

  半年くらい前に、ナビステーを移設する記事を書いた。

takayame.hatenablog.com

市販キットを使ってハンドルステムのあたりについているナビステーをTFTメーターの上に移設するだけの内容だけど、完成後の状態はかなり気に入っていて、それなりに満足していた。ただ一つの問題を除いては……。

その問題というのは、「ステーに装着するナビがない」というものだ。

というのも、わたしはバイク用ナビとして長らくポータブルカーナビの決定版であるパナソニックのゴリラを愛用していて、かれこれ三台は購入しているくらい気に入っていた。しかし、当然ながらバイクに装着されることを前提としていない製品なので、その三台目も昨年の北海道ツーリングで浸水して無事壊れてしまった。

浸水によりブラックホールが発生してしまった

こんな状態じゃ到底使えないので早速もう一台買い足そうかとも考えたけど、RSに装着するためには不格好なアタッチメントを噛まさないと装着できないし、これはもう純正ナビを買えという天啓かなとも思ったので、ディーラーに行って購入することにした。

 

店員に純正ナビのことを聞いたら開口一番、

「ありますけど壊れるってウチのお客さんよく言うんであんまりおすすめはしないですよ」

とのこと。聞くところによると、Navigator VIになってからなぜか故障が非常に多いらしく、毎年保証修理になっているお客さんもいるのだとか。ナビの機能としてはいいんですがね、とは言いつつも積極的に勧めては来ない店員と、あまりにも高い値段(93,500円、ゴリラの現行モデルは34,000円)に購入を躊躇し……

 

結局買うんですけどね。清水の舞台から飛び降りる気分でした。なにせ93,500円と、ゴリラの約3倍、同じガーミンのZmmo660も60,000円強だったはずだから、相当強気な値段設定だと思う。ここにきて貧乏人への厳しさを身をもって感じることになった。

前置きが長くなったが、本記事では2ヶ月ほどツーリングで使ってみたインプレをお届けする。あら探しメインで。

 

もくじ

 

外装

サイズ感は同じ5インチディスプレイのゴリラよりやや分厚い程度。モニターは意外にも光沢だった。

スマートフォンと比べるとベゼルがやや太いので、若干野暮ったい印象も受ける。バイクから外して持ち歩くことは少ないとはいえ、やや重量感がある。

純正だから収まりは非常に良い。最初からそこにあったかのようだ。

イグニッションキーでステーにロックできるので、ちょっとバイクから離れるときも盗難の心配をしなくていいのは良い。

 

機能

ナビゲーション

ナビゲーションとしての機能は一通り揃っていて、可もなく不可もなくといったところ。インカムと連動しての音声案内もある。車両のイグニッションと連動して電源ON/OFFになるのは便利。

バイクのナビは車ほど注視することもなく、次曲がる箇所が分かる程度でいいので、地図に対する不満は特にない。ゴリラのほうが圧倒的に見やすいのは確かだが。

動作はあまり軽快ではなく、若干もっさりしている。ハンドルのダイヤルから操作するとワンテンポ遅れる感がどうしても否めない。

ただ、イグニッションONにしたときの最初の画面がメニュー画面なのは微妙だ。地図画面をデフォルトにしてほしい。

あと、デフォルトでオービスの事前警告機能ONになっているのだけど、緊急地震速報的な結構心臓に悪い警告音がまあまあの音量で流れるのでビビる。

UIや設定項目は全体的に散らばっていて一貫性がなく、どこに何があるのかすぐに把握しづらい。おそらく、走行中に軽く触ることのある機能と設定等の機能で分けているんだと思うけど、スタイリッシュであるとは言い難い。

文字入力の時のボタンは小さすぎて、グローブ装着時の操作は想定してないんじゃないか?と思うレベル。グローブ装着時どころか普通に指で操作していても誤操作が多発するので正直ムカつく。バイク用じゃないゴリラのほうがそのあたりはよっぽど洗練されていると思う。

 

Bluetooth連携

当然っちゃ当然だけど、Bluetoothでインカムとスマホと連携でき、音声案内や音楽再生が可能。音楽はタッチパネルでプレイリスト選択ができるので、バイク本体より若干使い勝手が良い。音声案内は……お世辞にも聞こえやすいとはいえない。日本メーカーじゃないので仕方ないとは思うけど、何言ってるのかよくわからないときがある。まあ多少音質が悪くとも、走っているときに「次なにかあるな」と意識するきっかけにはなるのでそこまでは困らない。

ちょっと感心したのは、バイク本体と連携させていてもナビと接続すれば自動的にナビのみの接続になるところ。最初は設定が飛んだのかと思ったけど、自動的にそうなるようになっているようだ。

 

バイクからの操作

純正だけあって、左ハンドルのジョグダイヤルで操作することができるようになっている。

……が、正直操作性は微妙。実用的なのは走行中に地図の拡大縮小ができることぐらいで、あとは意味のある操作はあまりできないと言ってもいい。タッチパネルから操作したほうが普通に早い。

 

9万円の価値があるかどうか?

このナビの最大の問題点は、間違いなく価格が高すぎる点。税込み93,500円という価格はポータブルナビとしては破格で、Androidスマホならそこそこの機種が買えるレベルだ。果たしてその価格に見合う価値があるかどうかだが、正直に言えばスマホ等で事足りているなら必要ない」とわたしは思う。

UI周りは洗練されてるとは言い難く、肝心のナビゲーション機能自体も4万円以下で買えるゴリラ以下の出来であると言わざるを得ない。ステーにロックできるとか、防水だとか、バイクから操作できるとかはありがたいのはありがたいけど、果たして9万円オーバーの価値があるか?と言われたら、首を横に振らざるをえない。

どうしても専用設計じゃないと嫌だ、と思わないのであれば、中国製のSimフリー防水スマホでも買って格安Simを契約して使うとか、それこそゴリラでも買って取り付けるほうがよっぽど安上がりになる。配線の処理や取り付けのためにハンドル周りの加工をしたとしても、本機種の価格を上回ることはないはずだ。

 

総評

結局ボロクソ書くことになってしまったけど、普通にナビとして使う分には十分な性能だし、使っていて不便だと思うことはあっても困っていることは今のところない。車種専用設計というのはそれなりの安心感がある。保証期間も3年間あるし地図更新もできるので、RSに乗っている間は使うつもりだ。

買った事自体を後悔しているわけではないということは付け加えておきます。

 

※もし今からNavigator VIを買おうと思っている酔狂な方がいらっしゃったら、もう少し待ったほうがいいと思う。なぜなら、本機種においての無料の地図更新は来年までで、その来年には後継のNavigator VIIが出る可能性が高いからだ。

 

(おわり)