再び紀伊半島のツーリングに行く。何度でも行くと思う。今回はいつもと少し趣向を変えて、東側を回ることにした。実は166号は今まで一度も走ったことがなかったからだ。三重まで出るので一見遠回りに見えるけど、実走距離は550km程なので、普段の海沿い大回りとあんまり変わらない。
今回のルート
いつもの通りくしがきの里スタート。道の駅宇陀路大宇陀から国道166号に入り、道の駅飯高駅を経て国道42号へ。花の窟神社から311号を走り、高野龍神スカイラインを抜けて帰るルート。紀勢自動車道の無料区間は使わず、紀伊半島内では全部下道を走ります。
快走の国道166号
全ての紀伊半島ツーリングはくしがきの里から始まる。時刻は午前6時半。
今回のルートでくしがきの里に寄るのは正直遠回りだが、毎回ここをスタート地点にしているので、立ち寄らないと気がすまなくなってしまった。
ここから京奈和道を橿原高田ICまで東進し、道の駅宇陀路大宇陀から国道166号入りする。冒頭でも述べたとおり、166号は今まで走ったことがなくて、前回の紀伊半島ツーリングマップの記事を作る際に気づいたという具合である。そのため、特に事前の下調べもせず走った。ちなみに、ツーリングマップルには「山間のなにもないさみしい道」と書かれている。
宇陀から高見峠までは普通の田舎の二車線国道で、高見峠付近からは峠道らしい雰囲気が出てくる。
と言っても、峠区間はほどほどで終わり、すぐに緩やかなカーブの続く田舎道が戻ってくる。途中からは櫛田川に合流し、所々で渓谷を眺めながら走る快走路が続く。166号と他の多くの紀伊半島の国道との相違点は、景色が開けている(ように感じる)という点であると思う。168号・169号・311号・371号といった国道が深く急峻な山間を抜ける道であるのに対し、166号は山間でありながらも沿道には田畑が広がり、開放的な印象を受ける。朝方に走ったからかもしれないが、交通量も少なく快走路と言うにふさわしい(毎回言ってる気もするが)。しかも香肌温泉という温泉もあるらしい。かなりいい道路だな。
あっという間に道の駅飯高駅に到着。かなり広く、整備された道の駅で、温泉も併設されていた。朝なので営業時間外だったけど、次は時間を合わせて行くのもいいかも。
国道42号の七変化?
飯高駅からは国道42号に入り、ひたすら南下して花の窟神社を目指す。
42号の熊野~多気の区間も今回が初めての走行。ここも前述の166号に負けず劣らず、いやそれ以上にいい道だった。
42号と言えば、私の中では白浜~串本間の太平洋沿いのワインディングのイメージが強い。太平洋の眺めが素晴らしく、個人的には紀伊半島ナンバーワンと言ってもいい道だ。今回、42号の新たな側面を知ることができた。
多気~尾鷲までは海の気配のない田舎道で、新緑の中を気持ちよく駆け抜けていく。尾鷲の市街地を抜けると突如風景が変化し、深い山中のワインディングとなる。
このあたりは走りごたえのあるワインディングで、SSに乗り革ツナギを身にまとったライダー何人かとすれ違った。並行して走る紀勢自動車道が無料区間ということもあってか、一般車はかなり少ない。ワインディングの距離自体はそこまで長くないけど、心ゆくまで楽しめそうだ。
峠を超え、緩やかなワインディングを下っていくと目の前に海が開ける。
七変化はちょっと大げさかもしれないが、のどかな田舎道から山間のワインディング、海沿いの爽快な道へと目まぐるしく景色が変わるのは、走っていてとても楽しい。紀伊半島の縮図とも言うべき素晴らしい道で、42号の魅力が再認識できた。
花の窟神社と丸山千枚田
私にしては珍しく、観光をする。まずは、昼休憩も兼ねて花の窟神社へ。
社殿がなく、巨岩が御神体となっている神社だ。その大きさたるや、国道からも見えるほどである。「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、世界遺産登録もされている。
隣接する茶屋が道の駅となっており、ここで昼休憩。宇陀路大宇陀を出発してから、概ね4時間半。流れが良いので比較的ハイペースだ。
ここからは42号線をそれ、311号で再び山の中に戻る。311号はほぼ全区間が二車線の快走路という、紀伊半島にしては珍しい国道。丸山千枚田はそんな311号を、熊野市街地から30分ほど北上したところにある。
ちょうど田植えが終わったところで、静かな風が水田の水面を揺らしていた。一昨年に訪問したときは、田の間の小道が歩けたけど、今年はロープ柵で侵入を阻んでいた。観光客のマナーが悪化したのか、例のウイルス感染拡大防止なのかはわからない。
温泉で締める
ツーリングと言えば温泉、紀伊半島と言えば温泉。もちろん今回も外さない。
今回は311号沿いのわたらせ温泉を利用する。料金900円、内湯1に露天5。大露天風呂、の名に恥じない広々として開放感のある露天風呂が売りのようだ。露天風呂には低温と高温の2種類の温度が用意されており、つい長湯してしまう。何より、広いため人数が分散されて落ち着くことができた。
温泉で疲れを癒やした後は、高野龍神スカイラインを北上して帰路についた。
まとめ
紀伊半島の東側は今までなぜか走っていなかったが、これからの定番ルートにしていきたいほど良かった。特に良かったのが42号の多気~熊野間で、短い区間に様々なツーリングの「楽しい道」の要素が詰め込まれていたのが印象的だった。紀伊半島はまだまだ行っていないところがあるので、これからも記事にし続けます。
これから暑くなるので、しばらくは海沿いを避けて山ばっかりになるかもしれないな。
(おわり)