またもや紀伊半島の話題。
さて、関西ライダーの定番ワインディングといえば、高野龍神スカイラインをまっさきに思い浮かべる人が多いと思う。ところどころ荒れているものの、全長50kmほどのワインディングは走りごたえがあり、高野山に龍神温泉にと観光地にも事欠かない。
ライダーにとっての楽しみはもちろんワインディングだが、上述の通り人気コースであるために全線を誰にも邪魔されず思いっきり走るというのはなかなか難しい。だが、とあることをするだけで道も温泉も貸し切りで楽しめてしまうのである。
今年の冬期通行規制が3月25日に解除されたので、わたくし高山も早速行ってきました。
今回のルート
岸和田和泉インターチェンジからアクセスする前提のルートとなっている。大阪方面から高野山に向かうならこのICで降りるのが最短なので、多くの人がこのルートを通ってるんじゃないかと思う。ついでに、高野龍神スカイラインのトイレ情報も記載しておいた。
朝駆けのすすめ 渋滞回避編
早起きは三文の徳なんて言うが、実際早起きすれば誰もいない道を楽しめるのだ。
大阪市内から出発するのであれば、朝5時くらいに出発することをおすすめしたい。5時に出発し、阪神高速と阪和道を乗り継いで行けば、6時40分前後に国道480号線の道の駅くしがきの里にだいたい到着できる。
早起きをおすすめする理由の一つが、くしがきの里までの国道480号の渋滞回避だ。大阪方面から高野山にアクセスする場合の最短経路なのだが、国道170号と480号の交差点がとにかく混むのだ(地図中A地点)。
右折信号の時間が短いのと、480号に入ってすぐに地元野菜の直売所があるためとにかく混む。夏場は10時台に到着しようものなら通過に15分程度も覚悟しなければならないレベルだ。
なので、直売所も道の駅も開店前の時間に通過してしまえば、渋滞に巻き込まれるはずもないのだ。
店は営業時間外だが、トイレと自販機は使えるので問題ないだろう。朝食が必要ならこの先にローソンとファミリーマートがあるのでそこを利用すればいい。
ところで、よくスタート地点にするこの道の駅だが、指定管理者が交代することによるリニューアル中らしく、すっからかんになっていた。まあ、空いている時間に行くこと自体が少ないんだけど…。
朝駆けのすすめ 誰もいないワインディング編
渋滞回避もそうだが、早起きする最大の理由がこれである。
5時に出発し、6時40分頃にくしがきの里に到着できれば、7時15分前後には高野山を登りきっているはずだ。高野山へのメインルートとなる国道480号は、ほぼ全線が2車線なものの道幅は狭く大型バスも通るのでペースは遅く、ときに渋滞も発生する。その解消のため道路工事が行われているが、そのせいで渋滞したりもする。だが早朝なら無縁の話である。
もちろんそれは高野龍神スカイラインに入ってからも同じ。
前走車も対向車もほぼいない、快適なワインディングを思いっきり楽しめる。
昨年の8月~11月までの期間、実際に毎月2、3回ほぼ同じ時間(朝5時)に自宅を出発して検証したがすべて同じ結果であった。多くの観光客が訪れる真夏や紅葉シーズンでも、早朝なら貸し切りなのだ。
注意すべきは気温差で、4月初頭のこの日は麓も肌寒く10度を下回っていたが、高野山に登りきったときには氷点下に達していた。
この日は路面がドライだったので何事もなかったが、前日が雨だった日は春先でも注意が必要だろう。真夏以外は、何か一枚ジャケットの下に着れるものを持っていくことをおすすめする。一方、下界が暑い夏場は特に最高で、暑くなる前に山に登りきれるし、高野龍神スカイラインは標高が高いのでかなり涼しく、快適そのものである。
ワインディングを流しつつ、途中のごまさんスカイタワーで10分ほどの小休止を挟んで道の駅龍神まで降りてきて、時刻はだいたい8時過ぎだ。
ガソリンが心もとない場合、道の駅龍神から2キロほど南下したところに土日も早朝から営業しているガソリンスタンドがある。
龍神温泉(後述)でゆっくり温泉を楽しんで折り返しても、登り始めた車やバイクとすれ違いはするものの高野山方面へ北上する車はまだ少ないので、変わらず快適である。
1時間ほど温泉に入りスカイラインを再び駆け抜けて、高野山の大門付近に戻ってきたときの時刻が10時くらい。麓から高野山を目指し登ってくる車で480号が混み始める時間だが、そんな光景を尻目に優雅に下山できる。
夏場なら大門から少し下った先にある、はなさかドライブインでみかんソフトを食べるのもいいかもしれない。
値段は350円。おすすめです。
ところで、RSが納車されてから初めて高野龍神スカイラインを走ったけど、やはり本当によく曲がるバイクだと思う。よく曲がると言うより、明らかに自分の技量以上に曲がっている。ユメタマもよく曲がるけど、ライダーの入力に素直なバイクなので、自分の技術レベル以上は曲がらないし曲げられない。けれど、RSは「曲がってくれる」と言ってもいいくらい曲がるのだ。コーナリング中の安定感も抜群だし、トラコンも自然な感じで介入してくれる。電サスのおかげか、ギャップの突き上げも小さいので荒れた箇所も安心して走れる。まさに「コケる気がしない」ってのはこのことだと思う。危険なバイクだね、これは。調子に乗りすぎるとそのうち痛い目を見そうだ。
朝駆けのすすめ 温泉編
早起きで得するポイントその3である。7時過ぎにスカイライン入りし、それなりのペースで駆け抜ければ8時過ぎには龍神温泉に到着できるだろう。元湯は朝7時から営業しているので朝風呂を楽しむことができる。当然ながら、ここも朝は人が少なくて快適だ。さすがに貸し切りとまでは行かないけど、混雑してることは今まで一度もなかった。
入浴料は800円。内湯2つ、露天1つで源泉かけ流し。空いてる時間に行くと思いっきりくつろげるのでお得感がある。朝風呂は人類に許された中でもかなりの贅沢だし、なによりワインディングを走ってきた体に沁みるのだ。ここでリセットして、折り返しに備えることができる。
朝駆けのすすめ 番外編
出発時間や休憩時間を調整すれば、高野山で人気のとんかつ屋であるとんかつ定でお昼ごはんを食べて帰ることもできる。ツーリングマップルにも掲載されている有名店で、デミグラスソースのかかったとんかつがとても美味しい。おすすめはもちろんとんかつ定食(990円)。
お昼時になるとライダーや地元民でかなり賑わうのだけど、朝駆けしたなら開店に時間を合わせることも容易いし、何より早起きなのでお腹も空いてる頃合いである。
まとめ
ここまで読んでいただければ、高野龍神スカイラインを朝駆けすることがいかに快適かお分かりいただけたかと思う。ことワインディングでは、遅い前走車はイライラの原因で、抜こうにも抜けない時はストレスそのものであるが、朝駆けすればそのような問題はほぼ起きない。少なくとも今まで私はそのような事態には遭遇していない。
そして、朝駆けは取締に遭いにくいという副次効果もある。下山する10時頃に麓からまさに登ってくるパトカーには何度か遭遇したものの、朝駆けでスカイラインを走行中に取締に遭遇したことは一度もない。取締のいかんによらず安全運転で
登る前の麓の渋滞で体力を持っていかれたりするのもアホくさい話だし、どうせライダーはあんまり観光しないんだから、いっそ早起きして道(と、温泉)だけ楽しんで、観光は帰りにでもしたらいいのだ。
というわけで、早起きは本当に三文の徳なので、ぜひ皆さん高野龍神スカイラインを朝駆けしてみてはいかがでしょうか。
(おわり)