長野とか群馬の中部甲信越地方は、山がたくさんあるだけにツーリングルートも充実していてかなり魅力的なエリアなんだけど、関西からは少し遠い。
群馬と長野には以前にも一度二泊三日で行ったことがあるけど、積雪に行く手を阻まれ思うように回ることが出来なかったという苦い思い出がある。今回はそのリベンジのため、あと一泊二日でどこまでツーリングすることができるのかという実験も兼ねて、長野と群馬の主要ツーリングルートを走ってきたのでそのレポートとなる。
今回のルート
使えるところでは高速道路をどんどん使って時間を稼ぐ。
一日目は有峰林道~安房峠~ビーナスラインと走り、二日目は志賀草津高原ルート~つまごいパノラマライン~メルヘン街道~ビーナスラインを走った後、帰路につく。
1日目
ツーリングの興廃は早起きにあり?
一泊二日ということもあり、限られた日照時間をできるだけ現地で使いたい。この日は連休の中日で、前日からあらゆる道路情報サイトに張り付いていたのだが、7時頃からすでに高速各所で渋滞が発生していた。これを回避するための方法はただひとつ、早起きしかない。
というわけで朝4時に家を出発し、名神高速を一路北東へと進んでいく。一宮JCTからは東海北陸道に入り北を目指す。一宮といえば中京圏では屈指の渋滞ポイントだが、さすがにこの時間では交通量こそ多いものの詰まりはしない。涼しい時間のうちに、一気に飛騨清見ICまでたどり着くことに成功した。
有峰林道
しばらく高山市街地を走った後、スーパーカミオカンデで有名な神岡を経て有峰林道へ向かう。今回の目的地その1だ。
有峰林道は有峰ダムへのアクセス路となっている舗装林道である。とりたて有名でみどころがあるわけではないが、「山の中にある巨大ダム」という存在にときめいたからには行くしかない。
肝心の道はと言うと、林道とは言うものの実態はよく整備された1.5車線道路といったところ。
離合困難箇所もなければ、ダートもない。ガレている箇所もなく、SSでも普通に走れるレベルによく整備された道だった。和歌山の国道のほうがよっぽどひどい。二輪車300円という値段からすれば十分楽しめる。特に展望が優れているとかはないが、20kmほど森林浴を楽しんでいると、視界が開けてダムの堤体が姿を現す。有峰ダムである。
堤体の上を通り過ぎて少し登ると、展望台とレストハウスがある。しかしながらレストハウスは例のウイルスのせいか休みであった。
この時点で時間は12時半。まだまだ走ることができそうだ。
奥飛騨温泉郷から安房峠へ
有峰林道を引き返し、国道471号及び158号を通ってビーナスラインへ向かう。
安房峠道路の手前で突如雨が降った。安房トンネルを抜けたらすぐ上がったが…
この道路は距離の割に通行料金が結構高いんだけど、道路ができるまでの歴史が壮絶で、個人的には割と好きな道だ。とくに、中ノ湯IC側の光景が好き。
安房トンネルから松本市街地にかけての国道158号はなかなかの交通量で、サンデードライバーどものトンネル手前の急減速は当たり前、のカオス状態。上高地への唯一のアクセス路だから仕方ないとはいえ、快走路とはいい難い状況だった。
そんな158号の魅力はなんと言っても梓川3ダムだろう。
奈川渡、水殿、稲核の3つの大ダムが作り出すダム湖に狭苦しいトンネル、二車線だけど曲がりくねった道はなかなか魅力的。サンデードライバー山盛りなことを除けば…
途中、道の駅風穴の里に着いた時点で時間は14時30分。まだまだ走る時間はある。
ここからは松本ICを目指し、諏訪まで高速を使う。なお、松本ICまでのラスト5キロくらいの区間は大渋滞。
ギリギリ晴れのビーナスライン
霧の駅についた瞬間、大雨が降り出した。仕方ないので、アイスを食べながら時間を潰す。
少し多めに盛ってくれた。ありがたい。
30分くらい待ってたら雨もなんとか小雨になったので再出発。霧の駅からちょっと離れたら雨なんか降っていなかった様子で、路面もドライだった。
どうやら、霧の駅付近だけピンポイント爆撃たったようだ。
美ヶ原高原から県道を下って、上信越道で信州中野の宿泊地まで向かい、この日の行程はこれで終了。
2日目
絶景の志賀草津高原ルート
この日も早起きして、今回の主目的である志賀草津高原ルート(国道292号)を走る。中野側から渋峠を抜け、まずは草津温泉を目指す。
しばらくワインディングを登っていくと、突如絶景が。
朝6時にスタートして、気温は15度くらい。めちゃちゃ涼しくて快適そのものだ。もちろん早朝なので交通量も少なく、道は独り占め状態だ。
早朝ツーリングは前述のようなメリットもあるが、デメリットもある。
それはどこの店も空いていないという点。なので、せっかく渋峠に来たけど、国道最高地点到達証明は入手できず。
渋峠から先は日本離れした絶景のオンパレードで、最高の一言だ。こんなところを走るために私はバイクに乗っているのだ。
次から次へと視界に飛び込んでくる光景は、オンパレードというより絶景の暴力と言ってもいいほどである。
エリアの規模では北海道や阿蘇には負けるかもしれないが、この風景は唯一無二で、充実度で言えば超えているんじゃないかと思えるほどの素晴らしさ。自分が今まで走った道の中で一番かもしれない。
毛無峠
群馬で外せないスポットと言えば、毛無峠だ。
名前に覚えがなくとも、この光景は見たことある人が多いんじゃないだろうか。
ここはどうしても行きたかった場所。一見オフロードに見えるけど、手前まで舗装されているので簡単にアクセスできる。
めちゃくちゃ最果て感のある風景だが、普通に携帯も繋がるし、なんなら人もたくさんいる。
つまごいパノラマラインと二番目の国道最高地点
草津白根山を一気に駆け下り、草津温泉でひとっ風呂浴びたあとはつまごいパノラマラインへ。つまごいパノラマラインは広域農道で、序盤はなんてことない山中のワインディングだが、しばらく走っていると突如視界が開けて、大パノラマが眼前に広がる。
北海道と見まごうような、キャベツ畑の中を突き抜ける直線路。群馬県の本気である。
嬬恋村からは万座ハイウェーを経由して軽井沢を通過し、メルヘン街道(国道299号)から再びビーナスライン方面へ。
メルヘン街道はなにかメルヘンなものがあるかと言えば、そんなのはないんだけど、日本の国道で二番目に高い麦草峠がある。
なぜか私がビーナスラインに近づくと天気が悪化する。
ので、前日と同じようにソフトクリームで時間を潰す。
道の駅ビーナスライン蓼科湖のソフトクリームはちょっと高いけど、ちょっと凝った味になってるのがいいね。
最後は何とか晴れたので、白樺湖から霧の駅までビーナスラインを走り、中央道で帰路についた。
まとめ
1泊2日で合計1,300km近く走ったわけだが、やってみると案外なんとかなるものだった。疲れないといえば嘘になるが、RSのロンツー適正の高さも確かめることが出来たように思う。
妙義山周辺とか、まだまだ甲信越エリアも走りたい場所がたくさんあるので、今後も機会があれば行こうと思う。ただ、次は温泉旅館でゆっくりしたいけど……。
(おわり)